新盆は、「にいぼん」「あらぼん」あるいは「しんぼん」などと読まれます(読み方は地方によって異なる)。また、初盆(はつぼん)という地域や、入盆(にゅうぼん)という地域もあり様々です。
お盆はご先祖様や亡くなった人たちの霊をまつる行事で毎年行われますが、新盆は僧侶や知人を招いて法要を行うなど、あらかじめ準備しておく事が多くなります。
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新盆とは?定義や意味について
お盆の定義は、先祖の精霊を迎え追善の供養をする期間です。サンスクリット語の盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)が由来で、亡くなった人を祀る儀式のことをいいます。
かつて、釈迦の弟子の1人が、母親が死んだあと極楽にいけず「餓鬼道」というところに落とされ飢えて苦しんでいることを知り釈迦に相談しました。
すると、たくさんの食べ物や供物をささげて供養をすれば救われるといって釈迦に諭されました。釈迦の教えの通りにしたところ、母親は無事に往生が遂げられたというのが由来で、供物をささげ、供養をする行事として現代まで続いています。
故人の四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆のことを「新盆」いいます。四十九日を過ぎていない場合には、新盆の法事や法要は翌年に行うことになります。お盆の時期や期間は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に行なわれます。
新盆の迎え方、飾りやお供え物の準備の仕方について
新盆は一度しかありませんので、家族全員や身内、親しい友人がみな集まり、故人のために丁寧かつ盛大に供養が行われます。通常のお盆とは異なる迎え方で、あらかじめ準備しておくことも多くなります。
まず、精霊棚といわれる祖先の霊を迎える棚を用意します。
飾り方は、その年の作物や霊を迎えるために必要といわれる精霊馬を供えます。 精霊馬は割り箸などできゅうりとなすに足をつけ、それぞれ馬と牛に似せたものです。
また新盆は故人が仏になって初めて里帰りするという意味合いですので、故人の近親者は盆提灯を贈ります。ただし最近では住宅事情の変化などで提灯ではなく現金を贈る事が一般的になっているようです。
新盆で使用した白提灯は、送り火で燃やすかお寺で供養してもらいます。迎え火は家の門口や玄関で行う場合もあれば、お墓で行う地域もあるなど、その形態はさまざまです。
また、新盆では僧侶を招いてお経をあげてもらい供養します。これは、精進棚の前で読経してもらうので棚経といいます。
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しかしながらこれは宗派によって異なり、このようなまつり方をしない宗派もあります。お盆の時期だからといって故人の霊が帰ってくることはないという考え方をする宗派もあり、そういった場合は精霊棚もなければ、なすの牛やきゅうりの馬を飾ることもないので注意が必要です。
新盆の法要、香典やお布施の相場は?
新盆の場合は、お寺から自宅に僧侶を招いて法要を行うのが一般的です。
その際、お布施として僧侶に渡す金額は3万円から5万円が相場とされています。
この際、表書きは「御布施」「お布施」「御経料」などとします。この他に車代や御膳料が必要ですが、法要が終わってから僧侶が会食に出席する場合は、お布施と車代のみで構いません。
新盆の法要に参列する場合は、喪服・礼服を着用します。ただし最近は、暑い時期の法要となるので喪服・礼服にこだわらないこともありますが、その場合もできるだけ黒っぽい地味な服装で参列するようにしましょう。
また、初盆の際の香典の相場はだいたい3,000円・5,000円・10,000円くらいが一般的です。ただし、故人との関係性や地域によって金額は異なる場合があります。
香典袋の表書きは、宗派に関係なく用いられるのは「御供物料」、仏式では「御仏前」、神式では「御玉串料」「御神前」などとなります。
香典のお返しですが、新盆の場合法要の後の会食がお返しとなり、品物を返す必要はないとされています。会食を行わない場合はお酒やお弁当を持ち帰ってもらい、これがお返しです。
しかし、最近ではお返しの他に引き出物としてお茶やそうめん、水菓子などの品物を渡すケースもあり、表書きは「志」「初盆志」「新盆志」などとします。
いずれにしても、施主側は勿論、招かれた側も失礼のないように故人の冥福を祈ることが重要です。