減価償却とは?
減価償却とは、時間の経過や使用に伴い価値が減少する資産を(固定資産)について、取得した時の支払額を耐用年数に応じて費用化していく会計処理のことです。
建物や機械装置など、何年にも渡り使用するものは定められた方法で均等に費用計上していきます。反対に、土地のように時間が経過しての価値が減少しない資産は、減価償却資産の対象とはなりません。
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資産の使用可能な期間は実際に使用する期間ではなく、種類ごと法律により期間が定められています。これを「耐用年数」といいます。
減価償却の計算方法
減価償却額の計算を行うためには、主に2つの方法があります。
1)定額法(ていがくほう)
減価償却の定額法とは、固定資産の購入代金を法定耐用年数の期間で割り、毎年同額ずつ償却(費用計上)していく計算方法です。
例:300万円で耐用年数5年の資産を購入した場合
単純に購入全額を5で割って、1年間で60万円ずつ均等に償却していきます。
2)定率法(ていりつほう)
定率法は、前年までの未償却分の金額から一定の割合で償却費を費用にしていく方法です。定率法を用いると、初めのうちは多めの金額に、徐々に金額が低くなっていく償却方法になります。
尚、減価償却の方法は管轄の税務署に届出を行います。法人設立の場合は、確定申告書の提出期限までに「減価償却資産の償却方法の届出」に償却方法を選択し、提出します。
償却方法を変更する場合は、新たに償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに所轄の税務へ「減価償却資産の償却方法の変更の承認の申請」を提出し承認を受ける必要があります。
減価償却資産の償却率表
法定での償却率は、「減価償却資産の償却率表」で詳しく確認できます。
国税庁のホームページから、「減価償却資産の償却率表」をダウンロードして利用可能です。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070914/pdf/06.pdf
また、会計事務所や税理士事務所のサイトなどでも多く紹介されています。
減価償却資産の耐用年数
主な減価償却資産の耐用年数表、国税庁のページで種別ごとに確認ができます。
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php
・建物の耐用年数
・建物付属設備の耐用年数
・構築物の耐用年数
・車両・運搬具の耐用年数
・工具の耐用年数
・器具・備品の耐用年数
・機械・装置の耐用年数
・生物の耐用年数
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例えば、車(車両)と一口にいっても、構造や用途目的によって耐用年数は違ってきます。建物や機械装置についても構造や機能によって細かく区分されています。
耐用年数表を見てもわからない場合は、最寄りの税務署へ相談するのが確実です。
減価償却の仕訳方法
減価償却費の記帳について解説します。減価償却の仕訳には「直接法」と「間接法」があり、仕訳の方法が違ってきます。
《直接法での仕訳》
直接法では、貸方に固定資産勘定を記入し、償却のときは固定資産から減価償却費を直接差し引きます
●借方:減価償却費 10,000円 貸方:固定資産 10,000円
《間接法での仕訳》
間接法は固定資産から減らしていくのではなく、減価償却累計額勘定を使い償却額の合
計を表示する方法です。
●借方:減価償却費 10,000円 貸方:減価償却累計額 10,000円
《一括償却資産とは?仕訳の方法》
取得価額が10万円以上~20万円未満の少額の資産は、「一括償却資産」として処理できます。
一括償却資産は、購入日や法定耐用年数に関係なく、3年間で均等額を処理します。
15万円のノートパソコンを購入
●借方:一括償却資産 150,000円 貸方:現金 150,000円
減価償却の処理(1年目)
●減価償却費 50,000円 貸方:一括償却資産 50,000円
《少額減価償却資産とは?》
青色申告の場合、30万円未満の少額な資産は購入した年度に一括で処理することができます(少額減価償却資産の特例)。
25万円のデスクトップパソコンを購入
●借方:工具器具備品 250,000円 貸方:現金 250,000円
減価償却の処理(購入年度)
●減価償却費 250,000円 貸方:工具器具備品 250,000円